想う

人のことが気にならないくらい、自分に集中しなさいと、誰かがインスタで言っていた。

睡眠時間4時間以外は勉強したとか、そういう話を読むと、私は何もできていないなって思う。

 

施設にいる母を想う。

認知症になったばかりの頃、よく喧嘩をした。

今ふり返ると、母も怖かったのだろうと思う。認知症と診断されて。

そんな母に優しい言葉もかけてあげられなかった。

何もわからなくなって、ただニコニコと微笑む母を思い出す。

ノートに「最後の旅行が娘と一緒だなんて、こんな幸せなことはないよ」と書いていた母。

一緒に旅行したのが最後だと思っていたんだ。

見つかったノートからは感謝の言葉しか書かれていなかった。あんなに仲の悪かった父のことも感謝の気持ちで書かれていた。

もっと一緒に旅行すればよかった。

もっと優しくすればよかった。

 

母は料理が嫌いだと言っていたけれど、ごはんはいつもおいしかった。

揚げ物と圧力鍋は危ないから、絶対に一人で作ったり、使ったりしたらダメよと言われて、私は今でも揚げ物や圧力鍋が怖い。

 

楽天的な母から私が生まれたなんて。

だから私にも楽天的な血が流れているはず。

ネガティブなだけじゃないはず。